昨日は第37回上野の森美術館大賞展の授賞式が日本芸術院にて常陸宮さまご臨席のもと行われました。
大変緊張をしましたが
「この鳥はどこで描いたのですか」
と、優しくお声をかけてくださいました。
タイトルの「間」の通り、時代や環境や感情などの狭間の中で、常々それを享受し恩恵をうけていますが、一方でその狭間の中でしか生きられないのです。しかしその状況だからこそ生み出せるものがあると考えますし、その時代や環境や感情はせめて良いものにしたいと思うのです。「味は伝統」というキャッチコピーの銘菓がありましたが、本当にその通りだと思います。絵画は、その点では視覚媒体としての強みがあり、比較的良しにつけ悪しきにつけ狭間の世界を残しやすい分野ではあります。特に生活の中にある場合ですと、常に接しますのでその影響は計り知れません。扱い方一つで大変な薬にもなりますが、毒にもなるのです。今回の作品は美術館買い上げとなり、そうした狭間を超えてお楽しみいただけますことは、とてもプレッシャーですが、大変光栄だと感じております。
来月からは元号も変わります。
この狭間のひと時にある絵画をお楽しみいただけます方々に、尚一層より心持ちの良いものをご堪能いただければと、常に心して初心を忘れることなく励みたいと思います。